MOMO(モモ)の新しいアームレストが2019年4月から補装具の完成用部品に指定されました。フィールドテストにご協力いただいたユーザーの皆様、ご家族、支援者、セラピストの皆様、本当にありがとうございます。
多くの方々のお力添えで誕生した、アームレストタイプBとタイプCを紹介します。
まずは比べてみます
簡単に言うと、従来のタイプAから装着感を改善し、かつより細かく調整できるようになったのがタイプB。
そしてタイプBをベースに小柄・細身な体格の人が使いやすく小型化したのがタイプCです。当時5歳だった男の子(福山型筋ジストロフィー)の体格に合わせてつくりましたが、子どもだけでなく成人のユーザーもいます。
ちなみにこの表のなかで意外と影響大なのが「重量」です。タイプAと比べてタイプBは約20%、タイプCは約43%軽くなっていて、それだけ軽い力で動かせるようになったといことです。
タイプB/Cで調整できること
ここからは調整方法の紹介です。写真がいっぱい出てきます。
従来のタイプAではエルボーレストの長さを変えることができます。それに対しタイプB/Cはエルボーレストの長さ、エルボーレストの深さ、アームカップの位置を変えられます。
1.エルボーレストの長さを変える
腕の長さや、腕のどこを乗せたいかによって調整します。例えば大柄な体格の人はエルボーレストを伸ばすことが多いです。一方で体格によらず肘をアームカップに乗せたほうが動かしやすい人はエルボーレストを短くすることもあります。
最短にするとこんな感じ
最長にするとこんな感じ
長さを変えたいときは、2カ所のナットを手で緩めて動かします。
ここに一つ
もう一つは裏側に
※タイプCは小型化追求のため、ナットではなく2mmの六角ネジ×4本で固定されています。六角レンチを使用して緩めてください。
タイプCは2mmの六角レンチで緩める
タイプCの反対側も2mmの六角レンチで
ナットかネジを緩めたらエルボーレストがちょうどいい長さになるまで動かし、位置決めのピンを穴にはめて固定します。左右5カ所ずつはめられるので理論上は25通りの組み合わせがありますが、ほとんどの場合は左右おなじ位置にするとちょうどいいと思います。
このピンを穴にはめて位置決めをする
もう一つのピンはこれ
2.エルボーレストの深さを変える
どれくらい深く腕を預けたいのかによって調整します。エルボーレストの長さに比例して深くすることが多いです。
浅くするとこんな感じ
深くするとこんな感じ
たわみを変えたいときは裏側のクリップで調整します。
このクリップで調整
3.アームカップの位置を変える
タイプB/Cの調整機構で最も効果が大きいのはこれかもしれません。腕を支えるバランスを3段階で調整します。
カップを前に出すと肘を伸ばしやすくなり、後ろに下げると肘を曲げやすくなります。キーボードを打つときは前に出す、食事をするときは後ろに下げる、など目的に応じて使い分けているユーザーさんもいらっしゃいます。
カップの位置を変えたいときは、裏側にある2つのナットを緩めて動かします。レールに沿って動かして、前、中、後のどれかで固定してください。
通常は中の位置です。
通常はこの位置
裏側の2つのナットを緩めて調整する
カップを前に出すと肘を伸ばしやすくなります。
前に出すとひじを伸ばしやすいバランスになる
前に出すときは、この位置のくぼみにはめてナットを締める
カップを後ろに下げると肘を曲げやすくなります。
後ろに下げると肘を曲げやすいバランスに
後ろに下げるときはこの位置の窪みにはめてナットを締める
導入しやすくなりました
細かい調整ができるようになって、これまでMOMOを使いにくかった人たちも導入しやすくなりました。「前に一回試したけど腕が痛かったんだよなー」とか、「あんまり動かせなかったんだよなー」という人も、もう一度試してもらえると嬉しいです。
タイプAも続けます
使用感、調整機能を大幅に進化させたアームレストができたので、「これさえあれば誰でもオッケー」と言いたいところですが、そう簡単にはいかないのがアームサポートの難しいところ。というわけで従来のタイプAも引き続き販売していきます。
この3タイプは全て同価格なので、純粋に一番使いやすいもの、長く使えそうなものを選んでください。
それではまた~。